「共感覚」ってご存知ですか?
正直、知らない方の方が多いと思います。
人の「五感」については、お分かりになりますね。
視覚・味覚・嗅覚・聴覚・触覚の5つのことです。
通常、眼から入った刺激は、脳の視覚野という
部位で視覚として知覚されます。
音に関しては、聴覚野という部位が反応します。
ところがどっこい、音を聞いていると、聴覚野は
もちろん、視覚野も反応してしまう人がいます。
この人は、音に色など何かが「見えている」状態です。
このように、五感のうち、別々に反応するはずが、
2つ以上混ざって知覚されてしまう現象を「共感覚」
そんな方を「共感覚者」といいます。
ちなみに、赤ちゃんの脳波を調べると、強い光には
視覚野以外に、聴覚野も反応することが知られています。
成長の過程で、脳の中の情報が整理され、いつの間にか
目からの情報は視覚野、耳からの情報は聴覚野と
反応する部位が局所的になっていくはずなのですが、
それがうまくいかないか、脳の中で影響を強く受けすぎて
多重反応しているのかではないかなどの説があります。
が、実際のところ、まだ解明されてはいません。
いろんな共感覚者の方に聞いたところをまとめてみましたら、
同じ「音に色を感じる」タイプの共感覚者の方でも、
同じ音に同じ色を見ているとは限らないことがわかりました。
「文字に色を感じる」方も、もちろん同様です。
自閉症で、サヴァン症候群で、共感覚者の方の本もあります。
![]() ぼくには数字が風景に見える [ ダニエル・タメット ] |
著者のダニエルさんはTEDでもお話されています。
ご興味のある方は、こちらもどうぞ。
http://digitalcast.jp/v/11335/
共感覚者の表現者の方の作品では、スクリャービンの
色光ピアノや、ディズニー映画のファンタジアも有名です。
「黄色い声」や「やわらかい音」など、聴覚で知覚した
ものを、他の五感で表現することはよく見られます。
でも、本当に見えている人がいるなんて、不思議ですね。